1. はじめに

(pdf版)

 

 

   「人生の意味とは何か?」

   「なぜ生きているのだろうか?」

 

 このような問いは,誰しも一度は考えたことのある問いではないだろうか。しかし,自分の納得のいく答えにたどり着く者はそれほど多くないように思われる。本論文では,この「人生の意味」の問いに哲学を含む思考により回答することを試みた。ここで,その大まかな流れを整理しておく。

 まず第2章「計画」では,これらの問いになぜ哲学を含む思考を用いて答えるのか,哲学を含む思考をどのように用いて答えるのかなどについて考察した。その結果,思考体系を用いて回答することになった。続く第3章「世界」では,思考を行なうための世界を吟味し,設定した。

 そして,第4章「思考と哲学(その1)」では,思考・哲学を仮に定義し,思考・哲学を行なうために必要なものを確認した。それにより,思考・哲学に必要なものが個体・概念・判断・主観・推論であると判明したため,第5章「個体と概念」,第6章「判断」,第7章「主観」,第8章「推論」ではそれらを吟味した。さらに,その後の第9章「思考と哲学(その2)」などで,前の思考・哲学の定義が問題なかったかを改めて検討した。

 ここまでで最低限,思考に必要と思われる道具の整備は完了したが,ここからは念のため思考でよく用いられると思われる道具も整備していくことにした。第10章「言語と意識作用」,第11章「概念分類」,第12章「存在」,第13章「価値」,第14章「対象」でこれらの概念について吟味した。

 そして,第15章「回答」にて,以上の議論を踏まえた思考体系を用いて「人生の意味」の問いに回答することを試みた。

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